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言われて悲しかった言葉~友人・職場の方編~

これまでに赤ちゃんとのお別れを経験した皆さまを対象に「言われて嬉しかった言葉・悲しかった言葉」のアンケートを実施しました。

このコラムでは、友人・職場の方からかけられた「悲しかった言葉」、そして、「その時に感じた想い」をありのままに紹介していきます。赤ちゃんとお別れをしたばかりで心が不安定な場合は、どうか無理をなさらないよう、そっとサイトを閉じてくださいね。

また、言葉をかけられた時に「こんな想いをしたのは私だけかな」と不安やネガティブな想いを感じる方もいるかもしれません。同じ経験をしたママの気持ちを知り、当時の感情を肯定したり、不安だった気持ちを安心させたり…皆さまなりの受け止め方でご覧くださいね。その他にも、当事者と接する時にどう気をつければ良いのかわからない友人・職場の方々の参考になれば幸いです。

※赤ちゃんとお別れ後のママは、感情的になることもあるため、強い言葉も掲載されています。また、相手との関係性や状況によって同じ言葉でも感じ方は異なり、全ての方が同じように感じるわけではありません。

ご協力いただいたアンケート

「言われて嬉しかった言葉、悲しかった言葉のアンケート」
回答募集期間:2024年3月1日~31日
回答数   :62件

アンケートにご回答いただいた皆さま、ご協力ありがとうございました。

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子どもの存在をないがしろにする

まるで人として認められていない気持ちだった。大切な娘のことを、粗末な物として扱われた気持ちだった。

死産だからと言って全く存在しなかった訳ではないのに……。

思いやりのようで、傷つけている言葉

今まで仲良かったけど、この人無理だ。

想って言ってくれたとわかっていても違和感を少し感じ、悲しくなった。

所詮他人事か。こんな経験したことなくていいな。会ったときに今後の妊活の話で不妊治療のクリニックを勧められた。妊娠した経緯を伝えてないのに不妊と決めつけられたようでショックだった。

価値観に違和感を感じその友人に会うのが怖かった。

あまり親身になっていないような口調で言われた。イラッとしてしまった。順調に妊娠出産できてる人に話せるかよって思ってしまった。言わなきゃよかったと後悔した。

もし気持ちがわかるならこのタイミングでの妊娠報告は遠慮するはず。他人の妊娠報告がどれだけショックなことかわかっていない。赤ちゃんの死を経験していない人に「気持ちがわかる」なんて言ってほしくない。彼女と距離を置くことにしたが1年以上返事ができていない。

周囲からの決めつけ

生きていく道も見えていない時に“元気”や“笑う”などの言葉を使うことに疑問を感じた。何もわかってないなと思って心を閉ざしてしまった。

悲しむことはできないの?と感じてあきれました。
亡くなった子がなかったことのようにされている気がしました。

出産1ヶ月くらい前に息子の病気、生存率の低さについて伝えたにも関わらず、無責任な励ましをしたり、彼女の妊娠発覚時にはエコー写真を送ってきたり、妊娠中の不調の話を嬉々としてきた。さらに火葬後に、妊娠中の発言に傷ついたことを伝えたところ、「自分はこれまで甘やかされて生きてきた、許してくれてありがとう。人に寄りそう方法を考えてみるよ。完全に恩を仇で返してしまった本件については巻き返しをしようと思うので、改めて仲良くしてください」と言われた。全ての発言が無神経すぎるし、結局自分のことしか考えてないんだな、と感じた。30年来の友人だったが、縁を切った。

以前の妊娠時につわりが酷くて、夫に洗髪やドライヤーをお願いして毎日やってもらっていた。今回も、迷惑かけないように早めにショートボブにした。結果、流産になってしまった時に言われた言葉。なんで私の髪型を、流産の原因を、あなたに決められなきゃいけないの?と怒りと悲しみで泣きそうになりました。

自分が感染を起こして、症状がないため気づかずに流産したので、赤ちゃんのせいではなく、自分のせいだと考えている。赤ちゃんに耐える力がなかったと言われて、赤ちゃんのせいにすることで慰めてくれたんだと思うけれど、原因は自分にあるので辛かった。

職場に就職して間もないころ、周りから聞かれるまま身の上話をした際に、子どもを流産で亡くしたこと、流産後離婚して独身になったことを正直に話した時に言われた言葉。悲しみ、怒り、虚しさ。新しい子どもや旦那が欲しいわけではなく、その子を生きて産みたかっただけ。若いから悲しんではいけないのか。流産は今でも悲しいが離婚は全く後悔していないので、再婚を期待されているようでいやらしいし冷やかしにも聞こえた。子どもが亡くなっている、というだけで話を聞くのが面倒くさいのか、と悲観的になった。

励ましでかけてくださった言葉でした。他の人のことなんて考える余裕もないし、人は人なのになぜ他人と比べないといけないのかと。励ましとわかっているからこそ、受け入れがたく、苦しい言葉でした。

トイレに駆け込み泣いた。

生きている子どもの話をされる

「来年の夏を楽しみにしていた私にそれを言う?」と思った。その相手は天使パパで、妊娠中期にお子さんを失ったことがあるとのことで、気持ちをわかってくれる…と思ったあとだったので、特にショックだったのかもしれません。その後返信していません。

子供を育てる事は大変な事だと理解はしているが、そんな未来を失った私に相談や愚痴をはいたりしてこないで欲しかった。私自身が子供ができにくい体質な事もあり、言語化できない感情でいっぱいで辛かった。

かける言葉を考えずに接してしまう

言われた瞬間、時が止まった。その後何を話したか覚えていないほど、ショックが大きかった。予定日が近かっただけに重ね合わせてしまい、複雑だった。嫌味とも思えた。

死産の報告をしたら本当にその二行だけ返ってきた。何を言えばいいかわからないのはわかるが、それでも少しこちらの心情を考えた優しい文面が欲しかった。

ペリネイタル・ロスへの理解がない

子どもを亡くす辛さ、自らそれを発言する辛さは周りには理解できないことなんだととにかく悲しくて絶望した。

死産でそんなに長く休む必要はないと思われていて、ペリネイタルロスについての無理解にとても苦しい気持ちになった。私は思い描いていた娘との未来を根こそぎ失って、先のことを考えることすら辛いのに、きっとそんなことは微塵も思わないんだろうなと。この経験から、当事者以外に対してのペリネイタルロスの周知の必要性を強く感じた。

理解し難いような様子で言われた。その言動の根底には、”大事な我が子を亡くした”という意識の欠片もないのだと思わされた。そんなにショックを受けることなのかと言われてるようで不快で悲しかった。もうその人に心を開くことはこれから先ない。大事なのは、経験していなくても相手の心を想像する心だと思う。

思い出すのもしんどいのに、配慮もなしに苦しかった。泣きながらみんなに伝えたが、平然と仕事の話に戻す職員もいてショックだった。

対外的にはいつも通り振る舞っていたが、精神的にはしんどい状況だったため、見た目だけで判断されてがっかりするとともに、腹立たしく感じた。

その他の心無い言葉

死産という経験だけでも死にたいほどつらいのに、頼むからこれ以上傷をえぐって来ないで欲しいと思った。助けてくれなくていいから、傷をえぐるくらいなら放っておいて欲しかった。

「私のこの出来事は、あなたの家の単身赴任と同じレベル?あなた子どもを突然失って、お棺に入れたことあるの?」その後避けています。

怒りと悲しみ。

まだメンタル回復していないのに、赤ちゃんのいるお家へ行って笑顔で「体調どうですか?」なんて聞けない。早く家に帰って泣きたい。

当事者の気持ちを知る一歩

赤ちゃんとのお別れは、誰にでも起こりうることです。自分自身が経験するかもしれないし、身近で苦しんでいる人がいるかもしれない。悪意はなくとも、心無い一言が、気付かぬうちに誰かを深く傷つけてしまうことがあるのです。今回のアンケート結果で、少しでも当事者が抱いている気持ちを知ってもらえたら幸いです。

赤ちゃんとお別れしたばかりのママは、お別れの経緯を伝えることも思い出すことも、辛く苦しい状態です。それでも友人や職場の方には、身近な存在であるからこそ信頼して、赤ちゃんとのお別れについて話しているかもしれません。

女性同士の友人だと、結婚、妊娠・出産、子育てなどのライフイベントを比較してしまうこともあります。デリケートな話題であり、相手の状況や気持ちを想像しながら言葉をかける必要があります。考えずに発した一言で、数十年来の関係性が壊れてしまうこともあるのです。

職場では、年齢や性別だけでなく、立場の違いがあります。上司から仕事への復帰を頼まれたり、「休職期間を短くしてほしい」と言われてしまうと、しっかりとした体や心の休息をとることができない可能性があります。赤ちゃんとお別れしたばかりのママは心身ともに「産後」であるのに加え、大きなグリーフ(悲しみ)を抱えています。必要な休みの取得や働き方への配慮をするとともに、思いやりのある言葉かけをお願いします。

では、当事者にどんな言葉を掛けたらよいのか気になりますよね。当事者が友人や職場の方から言われて嬉しかった言葉をまとめた記事もありますので、ぜひご覧ください。

「言われて嬉しかった言葉~友人・職場の方編~」はこちら

少しでも多くの人に当事者の気持ちを知ってもらい、当事者がその苦しみをひとりで抱え込まなくてもよい社会になることを願います。

著者(取材・文=SORATOMOライター 小野寺ゆら)


この記事はSORATOMO編集部が独自に調査し、編集したものです
記事の内容は2024年3月の情報で、現在と異なる場合があります
こちらは個人の経験談であり、全ての人に当てはまるものではありません
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