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妊娠がわかったとき、赤ちゃんを迎える喜びと期待に胸を膨らませる方が多いでしょう。その一方で、「赤ちゃんは元気に育つかな」「無事に生まれてきてくれるかな」と不安を抱えることもあると思います。
そんな不安を引き起こす要因の1つに妊娠中の出血があります。
このコラムでは、妊娠中の出血を経験したママに対して実施したアンケートの回答(出血の状態や当時の気持ち等)をまとめています。
※あくまで個人の経験談をまとめたものとなります。ご自身の症状に関しては必ず医療機関に相談しましょう。
ご協力いただいたアンケート
「妊娠中の出血に関するアンケート」
回答募集期間:2024年3月1日~31日
回答数 :27件
アンケートへご協力いただいた皆さま、ご協力ありがとうございました。
※この先、センシティブな内容が含まれます。
妊娠中の出血について
妊娠に至った経緯
出血のあった妊娠について、その妊娠に至った経緯は円グラフのような結果となりました。
どのような出血だった?
出血した時期は?
妊娠初期に出血を経験した方がとても多い結果となりました。なかには初期から中期にかけて断続的に出血がある方もいました。
腹痛はあった?
腹痛なし
- トイレットペーパーに付着していて気付いた
- 朝起きたら出血していることに気付いた
- トイレに行って下着に茶おり程度のものがついていて気が付いた。特に無理などしていないので突然だった
腹痛あり
- 軽い生理痛のような腹痛があった
- 殴られたくらいの痛み
- あるときもないときもあった。21週の時は腹痛だと思ったら陣痛だったので波があったが非常に痛かった
出血に気付いた時点では腹痛はなかった方が多く、腹痛がある方も軽度の痛みの方が多かったです。しかし、そのまま流産や分娩につながる出血のときは強い痛みがあった方もいました。
量や期間はどれくらい?
- おりものにまじる程度が数日おきに2週間ほど続いた
- おりものに混じる程度が一度だけ
- 尿と一緒にさらさらの真っ赤な鮮血が一度でた
- トイレットペーパーに付着するくらい少量の鮮血が1週間くらい続いた
- 最初は茶おりのような感じ。徐々に量が増え、生理1日目のようなものが1週間続いた。最終的には鮮血のものが塊混じりで生理2日目くらいの量が出ていた
- 少量から生理以上の出血(血の塊が何度もあった。出血量が増え、滝のような出血。徐々に塊も大きくなっていった)
- 妊娠期間中は出血したり、止まったりを繰り返していました。塊はないものの鮮血が出ることが多かったです。量は少なかったです
- 破水した1週間程度前から前日はスライム状の分泌物に鮮血が混じっていました。その後、35cmナプキンが真っ赤になるほどの出血を伴い破水しました
出血の量や期間は、1回きりで終わる方もいれば、数週間と続く方もおり、個人差があることがわかりました。
病院へ相談した?
相談した
- 「よくあること。とりあえず様子見で、鮮血がでたり、出血が続くようならまた連絡ください」との事でした
- 基本的に電話で相談しましたが、少ない時は次の健診の時に相談。多めの出血の時は安静にと言われました
- 次の妊婦健診の時に聞いたけど、問題ないとしか言われなかった
- 医師に安静を言い渡され、12週間仕事を休んだ。食事やトイレ風呂以外は横になっていた
- 「初期の出血や流産は、安静の意味はないとも言われているが、もしものこと(流産)があって仕事をしていたせいだと自分を責めるようなら、休職するように」と言われた
相談しなかった
- 助産師をしているので、初期の出血はどうしようもないことを知っていたから
原因は?
下記の表1のようにさまざまな原因が挙げられましたが、不明とされている方も多かったです。
また、出血が長期間続いた方は、時期や診察した医師によっても意見が異なるという回答もありました。
原因の特定は、医師でも難しいようです。
その後妊娠はどうなった?
出血後の妊娠の結果については下記の表2のようになりました。
出血がそのまま流産や早産へつながる例もあれば、数日で出血が止まり、その後の妊娠経過に特に影響が出なかった例もあり、さまざまでした。
仕事を休むことができた?
休んだ
- 在宅勤務も可能だった
- つわりがあったため、妊娠が分かった直後に上司に妊娠を伝えていました。出血があった際もすぐに報告すると、勤務時間中でしたがすぐに退勤して良いと言われ、さらに私の勤務場所(上司とは別の勤務場所でした)まで車で迎えにきてくれ、最寄駅まで送ってくれました
- 休んだが、とても休みづらい環境だった
- 休めたが、迷惑そうだった
休まなかった
- 休めませんでした
- 急遽病院へ行くことはあっても休むことはしませんでした
- 休まなかった。安静が流産の進行に影響しないことを知っていたから
仕事をお休みできた方が多くいましたが、スムーズに休めた方もいれば、休みづらい環境で休みを取得するのに苦労された方もおり、職場環境によりかなり違いがあるようです。
厚生労働省では、「妊娠中の症状に対し、医師等から指導があれば、事業主は作業の制限や休業等の措置をとらなければならない」とされる母性健康管理措置を規定しています。
詳しくは厚生労働省のホームページ をご確認ください。
出血したときの気持ち
- 血の気が引いた。子供を失ってしまうかもしれなくて怖かった
- とても不安で心臓が痛かった。どうしよう、と旦那に電話して泣いた
- 1度流産を経験していたので、とても不安でどうにもできないことにもどかしさを感じて辛かった
- とても怖くなった。赤ちゃんは無事か?仕事をしすぎたか?
- こんなに出血して大丈夫なのかと不安な気持ちでした
- もう赤ちゃんがダメかと気が気でなかった
- 焦り、もうダメだと思った
- 不安になった。少量のため病院に連絡するか否か迷った
- 産んであげられないんだろうなと悲観的になりました
- 良くないかもしれないけど、病院行ったら治るだろうと思った
- おしるしがついにきた!
不安に寄り添える世の中へ
予期せぬ出血の際には、ほとんどのママが「おなかに授かった大事な我が子を失うかもしれない」という不安や恐怖を感じていました。
なかには、「仕事で無理をしてしまったのかも」「何か赤ちゃんにとって良くないことをしてしまったのかもしれない」と自分を責めてしまうママも。
しかし、今回のアンケートによると、出血の原因がはっきりわからないこともあり、ご自身や医療機関でも対処できない場合もあるということがわかりました。
決して、ご自分のことを責めないでくださいね。
世の中には「楽しいマタニティライフ」の情報が溢れていますが、実際にはこのように妊娠中の出血を経験し、不安を抱えるママも多く存在します。
ママがどんなに気をつけていても、出血を予防することも不安をなくすこともとても難しいものです。
このコラムや当サイトが、そんなママの不安を和らげる一助となることができれば幸いです。
※妊娠中の出血の際には、自己判断せず落ち着いて医療機関に相談するようにしてください。
著者(取材・文=SORATOMOライター 村木まゆ)
<参考文献>
働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について|厚生労働省|2024.5.17取得
この記事はSORATOMO編集部が独自に調査し編集したものです
記事の内容は2024年3月の情報で、現在と異なる場合があります
こちらは個人の経験談であり、全ての人に当てはまるものではありません
※記事内の画像や文章の転用を禁じます
SORATOMO編集部
赤ちゃんとのお別れの「その時」から「これから、ずっと」共に生きるをテーマにしたWEBメディア「SORATOMO」を運営する編集部。流産・死産・新生児死・乳児死などで赤ちゃんとお別れをしたママと周囲の方へ向けた、生きていくヒントとなる情報をお届けします。