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お別れの時の赤ちゃんのお洋服

赤ちゃんとのお別れは、思いもよらないタイミングでやってきます。

突然のお別れに戸惑い、想像を絶する悲しみに直面する。そんな時に、小さく生まれてきた赤ちゃんにお洋服を用意するという発想がなかった方もいます。そして、あの時かわいいお洋服を着せてお見送りをしたかった……と後悔する声も。

これから赤ちゃんとのお別れを経験するママ・パパが、少しでも後悔なくお見送りできるよう、お別れの時の赤ちゃんのお洋服についてまとめました。

お洋服を着せることはできるの?

SORATOMOは、赤ちゃんとお別れをしたママへ「赤ちゃんの週数別の状態」に関するアンケート調査を行いました。(アンケート結果はこちら

生まれた時の赤ちゃんの状態について、アンケートの回答を一部抜粋して紹介します。

Aさん(妊娠15週/14cm46g/亡くなってから生まれるまで半日)

血の塊のようだった。棺の中のガーゼに水分がとられ見るのが辛かった。

Bさん(妊娠17週/16cm102g)

赤くてぜりーのよう。触ると皮膚がくっつく感じ。

Cさん(妊娠31週/44cm1660g/亡くなってから生まれるまで3日間)

時間がたったり、触れたりするうちに、めくれてきてしまい、なかなか怖くて思うように触らなかったです。もっと手とか握ったりしたかったです。

Dさん(妊娠39週/42cm3145g/亡くなってから生まれるまで5時間)

きずもなく綺麗だった。沐浴もしてアイスノンでひやして、冷房効かせたけどだんだんと固くなってお口がぽかんとあいて肌の色が紫や黒っぽくなっていった。でもすべすべだった。

妊娠週数が短い場合や、おなかの中で亡くなってから生まれるまでの期間が長い場合は、赤ちゃんの皮膚がゼリーのようにぷるぷるとしていて、破れやすいようです。また、小さく生まれた赤ちゃんは成長が未熟なため、骨が折れやすく脆い状態にあります。

お洋服を着せる場合は、以下の点に注意しましょう。

  • 一度着せたお洋服を脱がすのは、赤ちゃんの皮膚や骨を傷つける可能性があります。
  • お洋服は、なるべく肌に優しい綿100%のガーゼなどの素材のものを用意しましょう。
  • 浴衣のような前開きのものがおすすめです。紐で腹囲を調節できます。
  • お洋服を着せるのが不安な場合は、おくるみで包んであげたり、お洋服を赤ちゃんにかけてあげる方法もあります。お棺に一緒に入れてあげてもいいかもしれません。

お洋服を着せることができた方の感想

Eさん(妊娠21週/26cm370g)

お洋服を着るだけで、ほんとに可愛らしさが増して悲しみの中にも幸せを見つけられた気分でした。生まれた直後は病院の備品のかなり大きめの服を着ていたのですが、そのあと自分でお洋服作ってあげたのは、「子どもにしてあげられたことがある」という気持ちになれて心の回復にもつながった気がします。

Fさん(妊娠35週/34cm502g/亡くなってから生まれるまで10日間)

病院側が団体さんから寄付いただいているお洋服をいただいて着せることができました。

発育不全だったので、息子は小さかったので市販では着せられるサイズのものがなかったので、可愛いお洋服を着せることができてすごく安心し、嬉しかったです。

お洋服と同じ生地のキーホルダーのようなものも同封されていたため、今も持ち歩いています。

Gさん(妊娠37週/48cm2456g/亡くなってから生まれるまで4日間)

前から準備していた新生児サイズ(50)の肌着、洋服が若干ぶかぶかですが使えました。出産時に怪我した顎や顔周りから出血等が多く、真っ白じゃないドレスを用意していて良かったな、と思いました。血が滲んでいたので、白だと目立っただろうなと…。

今でこそ可愛いものを選んどいて良かったなと思えますが、状況的に悲しみが強く、当時洋服を着せられてよかったなと思う余裕はなかった気がします。洋服が無い場合というのを知らず、ありがたさがわからなかった…。

お洋服はどうやって手に入れるの?

小さく生まれた赤ちゃんのお洋服は、インターネットでの販売、ボランティア団体や病院での寄付、手作りなど、様々な方法で手に入れることができます。赤ちゃんとのお別れを経験したママの中には、家にあるものや100円ショップなどですぐに購入できるもので簡単なお洋服を作った方もいました。型紙がなくても作れる方法があるなんて、驚きですね。

SORATOMOに協力してくださった、お洋服を寄付・販売されている団体をご紹介します。

Soramusubi

Soramusubiが寄付しているお空の赤ちゃんのための
『天使のお洋服』

Soramusubiさんでは、小さな赤ちゃんとお別れしたママ・パパに、安らぎ、癒しや勇気を届けたいという想いのもと、『天使のお洋服』を無償でお届けしています。お洋服の寄付の依頼は、1ヶ月で30~40件、年間400着以上に及ぶこともあるそうです。

個人の方や医療機関へ無償でお届けしているSoramusubiさん。一人でも多くの赤ちゃんのもとに届いてほしいですね。

▶Soramusubiさんとの対談インタビューはこちら

一心が病院へ寄付している小さな産着

一心さんは、2024年5月にボランティア登録をし、小さな産着を3つの病院に寄付する活動をされています。マルシェや子ども食堂に来ていただいたお子さんに、小さな産着の裁断や型取りのお手伝いをしてもらうこともあるそうです。

小学生くらいのお子さんに、「小さくしてお空にかえった命が存在すること」を知ってもらった上で、産着の作成のお手伝いをしてもらうのは何だか嬉しく感じますね。子どもたちの優しい想いが込められた小さな産着が、必要とする方のもとへ届きますように。

Nagomi

Nagomiが販売している赤ちゃんのお洋服『はぐ』

Nagomiさんでは、ご家族が我が子のためにお洋服を「選ぶ」ことができるように、様々な柄のお洋服を用意して販売しています。ママ・パパが小さな赤ちゃんを優しくハグするように、優しい柄と柔らかな生地で仕上げているお洋服『はぐ』。「亡くなった赤ちゃんのお洋服ではなく、元気に生まれてきた赤ちゃんと同じように関わりたい」という理由で、肌着の紐の結びが右前になっているそうです。

『はぐ』に込められた、あたたかな想いが伝わってきますね。ぜひホームページもご覧ください。

お洋服のサイズはどのくらい?

赤ちゃんの大きさは、赤ちゃんの成長度合いやおなかの中で亡くなってから生まれるまでの期間によって個人差があります。事前にお洋服を準備できる時間がある場合は、病院に赤ちゃんの大きさ(身長・体重)がどのくらいかを確認しておきましょう。

また、寄付をしている団体や販売元によって、サイズの基準が異なります。事前に問い合わせをして確認しましょう。

※下記サイズは、各団体に問い合わせを行った2024年7月時点の情報です。
※下記表の在胎週数に対する体重・身長はあくまでも目安です。エコーで誤差が生じる場合もあるので、ご了承ください。

Soramusubi

サイズ在胎週数体重着丈
SS~17週~150g13~14cm
S18~21週160~350g17~18cm
M22~26週360~750g22~23cm

一心

サイズ在胎週数体重身長
S12~15週50~240g11~15cm
M15~20週200~360g14~26cm
L20~25週300~850g25~35cm

Nagomi

サイズ在胎週数体重身長
特小~12週~50g~5.0cm
SSS12~15週~100g~12.0cm
SS14~18週~240g~15.0cm
S17~20週~350g~25.0cm
M19~22週~500g~30.0cm
L21~26週~850g~35.0cm
LL25~30週~1500g~40.0cm

必要とするママ・パパの元へ

(提供:Soramusubiさん)

大切な我が子とお別れをすること。こんなにも辛く悲しいできごとはありません。これから赤ちゃんとお別れをするママ・パパが、我が子のためにしてあげたいと感じることをしてほしい。少しでも穏やかな気持ちで、我が子を見送ってほしい。そんな思いで、多くの人に情報が届くようにこの記事を作りました。

もちろん、「小さな赤ちゃんにお洋服を着せることができる」という情報を知ったうえで、赤ちゃんの身体を傷つけないためにお洋服を用意しないことも、ひとつの選択肢です。あなたが赤ちゃんを大切に想う気持ちが、何よりのプレゼントになると思います。

ママ・パパ、そしてそのご家族が、大切な赤ちゃんと穏やかな時間を過ごせることを祈っています。

著者(取材・文=SORATOMOライター 小野寺ゆら)


協力

Soramusubi

Webサイト:https://soramusubi.com
X(Twitter):https://x.com/soramusubi
Instagram:https://www.instagram.com/soramusubi

一心

Instagram:https://www.instagram.com/hitokokoro.5.1

Nagomi

Webサイト:https://nagomigrief.base.shop
Instagram:https://www.instagram.com/nagomi_greif
X(Twitter):https://x.com/nagomi_gc


この記事はSORATOMO編集部が独自に調査し編集したものです
記事の内容は2024年7月の情報で現在と異なる場合があります
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