担当:小野寺ゆら
はじめまして。SORATOMOライターの小野寺です。
ひとりごとコラムでは、今まで執筆した当事者の声の記事などをもとに感じたことや、日々の生活の中で想ったことを綴っていきたいと思っています。
私は、4年ほど不妊治療をしており、今も地上の子どもはいません。治療の過程で、何度も赤ちゃんとのお別れを経験したり、検査で激痛を味わったり、職場に居づらくなって退職したり、辛い想いをすることが多々ありました。2回目の体外受精で、ようやく子どもを授かることができたのですが、その子も臓器に奇形があって死産となってしまいました。
この4年間、もし何も問題なく子どもを産むことができて、フルタイムで働き続けられていたらどんな人生だったのだろうか。今みたいに、妊婦さんや赤ちゃんを見て目を背けてしまうような生活は送っていなかったんだろうな。お金を気にして節約したり、夫に負い目を感じることは無かったんだろうな。そんな「たられば」を考え、常に劣等感と自分への情けなさを抱きながら、それでも毎日頑張って生きています。
先日、歯医者に行きました。受付のお姉さんに「気負いせずに体調に気をつけて過ごしてくださいね」と声かけていただき、続けて「私の友人も不妊治療をしていて、『授かりものだから』って諦めてた頃に赤ちゃんができたんですよ」と言われました。
「赤の他人なのに、こんなに優しい言葉をかけてくれる女神おるん?」と有難く思うと同時に、「治療した事ない人はみんなそう言うよね。不妊の辛さも子どもを亡くす悲しみも知らないくせに」と捻くれた感情も芽生えました。
我ながら素直に人の好意を受け取れないのは、良くないなと感じます。でも、それほどに不妊治療や流産・死産というものは、人格に影響を与えるほど大きなものだったんだと思います。これが私が生きてきた人生なんだから、これで良いんだと肯定しながら生きています。
もし、私と同じような気持ちを抱く人がいたら。
周りが全員敵に見えたとしても、自分だけは自分の味方でいてあげてください。
どんなに捻くれた考えをしてしまったとしても、自分を肯定してあげてください。
それだけで、生きるのがぐんと楽になります。そして、孤独を感じて辛い時は、SORATOMOに足を運んで当事者の声の記事を読んでみてください。きっと、あなたは一人ではないということに気づけると思います。
SORATOMO編集部
赤ちゃんとのお別れの「その時」から「これから、ずっと」共に生きるをテーマにしたWEBメディア「SORATOMO」を運営する編集部。流産・死産・新生児死・乳児死などで赤ちゃんとお別れをしたママと周囲の方へ向けた、生きていくヒントとなる情報をお届けします。