あなたの言葉で心が救われた。
これまでに赤ちゃんとのお別れを経験した皆さまを対象に「言われて嬉しかった言葉・悲しかった言葉」のアンケートを実施しました。
このコラムでは、友人・職場の方からかけられた「嬉しかった言葉」、そして、「その時に感じた想い」をありのままに紹介していきます。
赤ちゃんとお別れしたばかりのママは、お別れの経緯を伝えることも思い出すことも、辛く苦しい状態です。それでも友人や職場の方には、身近な存在であるからこそ信頼して、赤ちゃんとのお別れについて話しているかもしれません。そこでかけられたあたたかな言葉や姿勢をきっかけに、ママの心に光が差し込むかもしれません。
※相手との関係性や状況によって同じ言葉でも感じ方は異なり、全ての方が同じように感じるわけではありません。
ご協力いただいたアンケート
「言われて嬉しかった言葉、悲しかった言葉のアンケート」
回答募集期間:2024年3月1日~31日
回答数 :62件アンケートにご回答いただいた皆さま、ご協力ありがとうございました。
「言われて悲しかった言葉~友人・職場の方編~」はこちら
子どもの存在を認める
「〇〇ちゃん(娘)もよく頑張ったね、たまらなく可愛い我が子だね!」「私も〇〇ちゃん(娘)のことは決して忘れないし、△△くん(私の長男)と同じくらい大事に思っています」(友人から)
死産だったけれど、ちゃんと私の娘として受け入れてもらえたことが嬉しかった。また、娘と会った人はほとんどいないので、周囲からはまるでなかったかのように忘れ去られてしまうんだろうなと思っていたので、「決して忘れない」と言ってもらえてとてもありがたかった。
「すごくかわいい!どっちに似てたの?名前の由来は?」(友人から)
普通に生まれた赤ちゃんと同じように、息子のことをたくさん聞いてくれたことがとても嬉しかった。
「素敵な名前じゃん、愛のこもった名前できっと幸せ者だね。無事に出産が終えられますように」(友人から)
子供の存在を無かったことにせず、私を親として扱ってくれる事が嬉しかった。
「いい名前だし、絶対イケメンや。生まれた日も快晴だなんて、外さない男やな。さすが〇〇の子や」(友人から)
彼女も生まれることをとても楽しみにしてくれていたから、残念な報告になってしまったにも関わらず、亡くなった子のことを褒めてくれて、会話に出してくれた。他の人がお悔やみの言葉ばかりで子どもの話を避ける中、彼女だけが子どものことを気にかけてくれた。たった数日でも生きた子として扱ってくれたことがとても嬉しかった。
「絶対忘れない存在」(友人から)
友人の子供が絵を描いてくれました。子供の事、私の事を言ってくれて素直に嬉しかったです。この子を産んだんだ、ママなんだと思いました。周りに感謝です。
(生まれたばかりの子どものフォト、火葬前に家族3人で写ったフォトを送ったとき)「きれいに出てきてくれた、家族写真も素敵」(元職場の同僚から)
子どもを褒めてもらえて嬉しかった。
「第二子やね」(職場の方から)
泣きながら言ってくれた言葉です。たった18週6日の流産なのに、ちゃんと私の子どもとして見てくれたということが嬉しかったです。
「赤ちゃん、残念だったね」(職場の方から)
赤ちゃんがいたことを認めてもらえていると感じた。他の職場の人は「体調は大丈夫ですか?」と声をかけてくれたけど、赤ちゃんについて触れてもらえなかったから赤ちゃんの存在を認識してもらえたと感じて嬉しかった。
母親になったことを認める
「娘さんと過ごす時間は短いけれど、しっかり思い出を作ってね」(友人から)
この言葉で、短い時間でしたが、娘との時間を私なりに過ごすことができて感謝している。
「本来夫婦揃う可能性が低かったのに娘ちゃんを2人で迎えて、見送ってあげられた。娘ちゃんがお父さんとお母さんに会いたいって思った気持ちを、2人は守って叶えてあげられたんだよ」(死産経験のある友人から)
人生で一番哀しくて最悪な出来事だったけれど、そんな状況のなかでも私達家族にとっては最高のよいお産だったことを実感した。
「今度、一緒に過ごした幸せな時間の話を聞かせてね。〇〇くんのママになった△△(私)にも会いたいな」(同僚から)
ママになったことを中々認めてもらえない中、嬉しかった。
「それでもあなたを選んでお腹に来てすくすく育って産まれてきてくれた。選ばれたママなんだよ」(友人から)
自分を母だと、子を子だと認めてくれたことが嬉しかった。
「ママのお腹に来れて、きっと幸せだったと思うよ」(友人から)
私の辛い気持ちも、娘の存在も受け入れてもらえて、救われる気持ちだった。
いたわる言葉
「気持ちに波もあるし、天気や体調に影響受けたり、色んな日があると思うけど、いつでもどんな時でも、LINEでも電話でも、家の近くでお茶でも何でもいいから必要なときは連絡してね。先のことは考えすぎず、無理しないで自分を何より大切に、過ごしてね」(友人から)
暗い光のみえないトンネルに1人でいたと思っていたけど、私のことを気にかけて待ってくれている優しい友人たちがいる…ということに気がつきました。
「ちゃんと子供達が側にいるってわかる日がくるよ」(職場の方から)
私を抱きしめながら言ってくれました。その方も十数年前にお子さんを亡くされた方でした。子供を亡くす経験した方がそう言ってくれて、きっと自分にもそんな風に感じれる日がくるはずと思うことができました。
「よく頑張ったね、偉いね」(友人から)
直接会って私の家で自分の経験を話したら、一緒に泣いてくれました。もし、共感するような発言をされてたら、何がわかるの?って苛立っていたかもしれません。でも、そのまま、産んで痛い思いをして辛いお別れを乗り越えたことを頑張ったと認めてくれて褒めてくれたのが、嬉しかったです。
寄り添う気持ち
「正直なんて言って良いかわからないけど、何か声をかけたくて、ずっと考えたけど、やっぱり言葉がでてこない。こんな悲しいことはないよね…言葉は見つからないし、今どんな気持ちか計り知れないけど、気持ちだけでも寄り添えれば…と思ってる」(友人から)
“気持ちに寄り添おうとしてくれる”それが伝わってくる言葉(メッセージ)が本当に嬉しかった。
「〇〇さんと同じ気持ちにはなれないけれど、それでもどうすればいいか(直属上司とグループ長で)相談して考えてきたし、これからもそうしたい」(職場の方から)
同じ気持ちにはなっていないので、「わかる」と言う人は信用できない。それを伝えつつ、それでも「寄り添っているよ」と伝えてくれることが嬉しかった。
「SNSをみて連絡していいものかものすごく迷ったし、私がかけられる言葉なんてないんだけど、『いつでも話聞けるから』って伝えたくて連絡したよ」(友人から)
無理に理解しようとせず、寄り添ってくれる姿勢がとても嬉しかった。
「私も同じ気持ちだよ」(職場の方から)
2度目の月命日で出勤してすぐ悲しくなり職場で泣いていたら、一緒に泣いてくれた。自分と同じように亡くなった子のことを想ってくれる人がいて嬉しかった。
心を支えてくれた
(課内では妊娠に気づかれてしまっていたため、流産したことをどういう形で伝えるか相談した時)「話すことも辛いと思う。辛いときに、さらに辛いことしなくていいよ。私が話しておいてよかったら私から言っておくよ」(職場の上司から)
すごくわかってもらえてる気がした。
素直な気持ち
「俺には子供がいないから分からないけど、ただただ切ない」(職場の上司から)
変に共感されるよりも、自分の気持ちを表してくれたのが嬉しかった。
「〇〇さんだ、おかえりなさい!」(職場の方から)
事前に死産したこと、育休に入れず現場に戻ることを周知してもらっていました。いつもは会釈程度の職場のおじさん達がわざわざ「おかえり」と声をかけたり、「またよろしく!」とだけメッセージをくれるなど、「何とは言わないけれど温かく迎え入れるよ、頑張ってね」と伝えてくれているような気がしました。具体的なことを言われないのもありがたかったです。
思いやりの言葉で救われる心がある
どの言葉も、思いやりや優しさを感じるあたたかいものばかりでしたね。
周囲の方が、赤ちゃんとのお別れを「無かったこと」にせずに、「ママのおなかの中で生きて育った子がいた」という事実を認めることが大切だと感じました。ママ自身も、我が子のことを話題にしたら泣いてしまうかもしれないし、迷惑かもしれないと思い、遠慮しているかもしれません。しかし、我が子への想いに蓋をしてしまうと、心の回復もより遅くなってしまい、塞ぎこんで心の不調をきたすこともあります。どうか、周囲の方からあたたかな言葉をかけてあげてください。お子さんに興味をもって関わることで、ママ自身がママになれた実感を得ることができるのだと思います。
今回のアンケート結果を通して、当事者にどんな言葉をかければよいのか、その一例を知っていただけたと思います。しかし、「もしかしたら傷つけてしまうかもしれない」という不安がある方もいるでしょう。当事者が友人・職場の方から言われて悲しかった言葉をまとめた記事もありますので、反面教師にするつもりで、ぜひご覧ください。
「言われて悲しかった言葉~友人・職場の方編~」はこちら
著者(取材・文=SORATOMOライター 小野寺ゆら)
この記事はSORATOMO編集部が独自に調査し、編集したものです
記事の内容は2024年3月の情報で、現在と異なる場合があります
こちらは個人の経験談であり、全ての人に当てはまるものではありません
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