Top 記事一覧 コラム 働く女性が流産・死産・出産した場合に適用となる制度

働く女性が流産・死産・出産した場合に適用となる制度

ここでは、働く女性の妊娠・出産に関する法令や制度の情報をまとめています。
赤ちゃんとのお別れが決まった「その時」を含めて、仕事を休めるかどうかは切実な問題です。ご自身の体調やメンタルの回復のためにも、適切に制度を利用しましょう。

※ここから先の「出産」とは、労働基準法および健康保険法に基づき「妊娠4ヶ月=12週=85日以上の分娩」(以下「妊娠4ヶ月」と表します)のことをいいます。

休業や就労制限を取得する制度

産後休業

【対象者】
妊娠4ヶ月以降に流産・死産・出産した女性労働者

事業主は、原則8週間、当該労働者を就業させてはなりません。ただし、6週間以降においては、本人が就業を望み、かつ医師が支障ないと認めた業務に限り就業可能です。(労働基準法)

母性健康管理措置

【対象者】
流産・死産・出産後1年以内の女性労働者(妊娠の週数は問わない

医師等から出血や下腹部痛などへの対応として、一定期間の休業等の指導が出されることがあります。
事業主は、健康診査などを受けるための時間の確保や、医師等からの指導事項を守ることができるようにする必要があります。(男女雇用機会均等法)

※勤務先のルールを確認しましょう

上記は法律によって定められている最低限度のルールです。そのため、企業が「これより低い(労働者にとって不利な)措置」を独自のルールとして定めることはできません。
一部の企業では、就業規則などにより「法律の基準を上回る規程」を定めていることがあります。
また、独自に「休職規程」などを定めていれば、内容によって休職が認められる可能性もあります。
人事、総務担当者、あるいは勤務先の就業規則などを確認することをおすすめします。


母性健康管理指導事項連絡カード

母性健康管理指導事項連絡カード(以下、「母健連絡カード」と表します)は、医師等が行った指導事項の内容(通勤緩和や休憩の配慮など)を事業主へ的確に伝えるためのものです。
流産・死産であっても、女性労働者から「母健連絡カード」が提出された場合、事業主は記載内容に応じた適切な措置を講じる必要があります。

残念ながら、妊娠4ヶ月未満に赤ちゃんとお別れした場合は、法律上の産後休業の対象とはなりません。しかし、「母健連絡カード」を活用すれば、時差・時短勤務などの就労制限や休職などを取得できる場合もあるので、心身の不調を感じた場合は医師・勤務先に相談してみましょう。
また、産後休業を取得することができたとしても、その期間で心身を回復させることが難しい場合や、復職後に勤務に支障が出る場合もあります。そのような時は無理をせず医師へ相談しましょう。

よくある質問

私は「産後休業」を取ることができるの?

労働基準法で定める「産前・産後休業」は、雇用されて働いている方であれば、正社員・フルタイム労働者だけでなく「パート」や「アルバイト」として働く方にも広く適用されます。
また、勤務年数は問わないので「先月採用されたばかりで休業できない」などということもありません。

妊娠初期に流産して、医師から安静の指示が出た場合、仕事は休めるの?

流産・死産後1年以内の女性労働者も母性健康管理措置の対象となります。
事業主に母性健康管理措置を講じてもらえないなどお困りの場合は、各都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に相談してください。母性健康管理措置が適切に講じられるよう、事業主に対し助言・指導等を行ってもらうことができます。

母健連絡カードの入手方法は?

母健連絡カードは厚生労働省のホームページからダウンロードすることができます。
また、各自治体で発行される母子健康手帳の多くに同様の様式が記載または添付されているので、コピーして使用することも可能です。まずはお手元の母子健康手帳を確認してみてください。

<参考文献>
流産・死産等を経験された方へ | こども家庭庁 | 2023.11.30取得
母性健康管理指導事項連絡カードの活用方法について|厚生労働省|2023.12.22取得
働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について|厚生労働省|2023.12.22取得


この記事はSORATOMO編集部が独自に調査し編集したものです
記事の内容は2023年12月の情報で現在と異なる場合があります
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